【ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり】という作品をご存知だろうか。
現代では数多くある「インターネットの小説投稿サイトで掲載された小説の商業化」によって、小説投稿サイトから文庫本やコミカライズ化され、アニメが2015年を始まりに二期まで作成された。作者は「柳内たくみ」という。
題名からわかるが、これは自衛隊に主軸を置いた作品であり、「彼の地」とは現実世界とは異なる異世界のことで、ファンタジーの世界を舞台に自衛隊が戦うお話ということだ。
作品内容に関し「ネトウヨ的な表現が気持ち悪い」「そんなことはない、面白い」と評価が分かれているこの作品を最初に検証してみたい。
まずこの作品だが、いわゆる「なろう系」ではない。投稿されていたサイトの名前は「アルカディア」というところだ。
ここが公式サイトであり、2000年から始まったといわれる老舗の投稿サイトだ。
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」「オーバーロード」といった作品もここが出身であるとのこと。
問題の「ゲート」のURLは以下なのだが…
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=original&all=1507&n=0&count=1
開けばわかるように、商業化にあたって投稿版は削除されてしまったのだ。
この作品について検索すると、商業化の際に原作にはかなりの政治風刺などの要素があったのを大幅に削ったという情報がある。では、それはもう見られないのだろうか。
しかし発見できた。
webarchivesという有名な魚拓サイトを利用することで、当時掲載されていた、商業化の修正を受ける前の原作が見つかったのである。当時は作者は「とどく=たくさん」の名義で活動していた。
自分はアニメ版などのゲートはよくわからないので、このブログでは、この旧原作版のみを対象として検証していく。
著作権侵害かどうかは分からないが、アルカディアの規約では盗作や小説内でのスパム行為は厳禁とされているが、読者が感想をどうするかは特に書かれていない。ここではちゃんと作者を明記してるから大丈夫だろう。多分。